2019/09/26
アルペンフレックス 1952年
日本光学の塩尻工場が戦後空いたところを買い取って始めたメーカー。ローライコードそっくりの中では(1954年製のカメラでレンズは自社製。シャッターはオリエント製)わりとよくできていた。
形式:6×6判二眼レフカメラ
レンズ:撮影レンズ アルポ(ALPO) 7.5cm F3.5 №542057 3枚玉 ブルーコーティング
ビューレンズ アルポ(ALPO) 7.5cm F3.5
シャッター:N.K.K B、1~1/200秒 3枚羽根のプロンタータイプ
セットレバーでセットし、ボディ下部のレリーズレバーで操作する。
焦点調節:ノブ繰り出し式、最短撮影距離3フィート
絞り:3.5~22 絞り羽根9枚
フィルム巻上げ:裏蓋赤窓式
大きさ・重さ:99×140×97mm 867g
この機種は八陽光学工業最初の製品と思われるモデルで、ノブ繰り出し式の焦点調節に赤窓式のフィルム巻上げを装備している。
このモデルは焦点調節とシャッターに関しては高級モデルに属している。シャッター構造は3枚羽根のプロンタータイプ、絞り羽根は9枚となっている。
レリーズ方式はセットレバーをセットしボディ下部のレリーズレバーで操作する。
フォーカシングフードはスポーツファインダーを装備しておらず古い形式である。フォーカシングスクリーンは単純なスリガラスを採用、補助ルーペは手動で操作する。
撮影レンズ、ビューレンズともアルポ7.5cm F3.5で3枚玉、ブルーコーティングが施され、撮影レンズ側にのみ製造番号が記されている。
八陽光学は、戦時中日本光学が山形県に設立した疎開工場が母体となっている。そうした経緯のためか当時の記事などをみてみると、八陽光学の技術の高さに期待するような記事が見られるほか、自社の広告にもその点をうたっているものがみられる。
部品加工は、部分的にヤスリかけの跡があるが、当時としてはまあまあといったところ。シャッター下部にはセルフタイマーを装備しようと思えば装備できるような空間がある。レンズは絞り開放から画像の破綻は少なく良いレンズである。
[掲載文献]
写真工業 2005年9月 vol.63 №677 P72
魅力再発見二眼レフ P118
カメラGET 2005年夏号 Vol.34 P54