2019/09/23

ⅥL 1958年


ファインダー:逆ガリレオ式ビューファインダー、ブライトフレーム付
35mm用、有効基線長28mm 倍率0.65倍
50mm用 有効基線長43mm 倍率 等倍
測距用 有効基線長65.5mm 倍率1.55倍
50mm用の時、50mmと100mmレンズ使用時にパララックス自動補正ブライトフレームが出る。
35mm、50mmレンズ以外のときはⅤT型以降に装備されたパララックス補正ピンを使う。
シャッター:金属幕横走りフォーカルプレーン、B、X、1~1/1000秒、セルフタイマー付、フラッシュシンクロはFP、M-F、Xの全接点付き
X接点は1/55秒で同調
大きさ・重さ:144×76×34mm、580g
価格:91,500円(50mm F1.2、キヤノメータ、ケース付)
79,500円(50mm F1.8付)
68,500円(50mm F2.8付)

シャッター機構を刷新したⅤ型の後期モデル。
1956年のVTでスタートした裏蓋開閉式の新シリーズが行きついたのが1958年のⅥTシリーズのⅥTとⅥLの2種。デザインはⅤ型に似ているが、巻き戻しはクランクに、シャッターは一軸不回転倍数系列等間隔となったので、クリップオン露出計が付くようになった。この新型の横走りフォーカルプレーンシャッターの機構メカニズムは、1981年のニューF1まで継承されるほど完成度が高かった。その他にもファインダーの視野倍率の変更や、自動復元式のフィルムカウンターなど新しい機構が盛り込まれている。
トリガー巻上げ式のⅥT型もある。ⅥL型はⅥT型に比べて20%ほど多く生産・販売された。
1959年ⅥLの普及版としてPが出る。

ライカM3又はM4に対抗しうる性能を持つ国産レンジファインダーカメラは何かといったらニコンならSP、キヤノンならⅥLになるのでは。

[掲載文献]
カメラレビュー クラシックカメラ専科 №31 「キヤノンハンドブック」 P25、34
銀塩カメラ至上主義 P346
写して楽しむクラシックカメラ Part3 P42
往年のキヤノンカメラ図鑑 P134
季刊クラシックカメラ №6 「キヤノン」 P14
クラシックカメラ倶楽部 P16
日本のカメラ P90