2019/09/23

IXY 1996年


(バッテリー蓋欠如)

形式:APSカメラ
レンズ:キヤノンズームレンズ 24~48mm F4.5~6.2
大きさ・重さ:90(97)×61×28.5mm 185g

一時のあだ花に終わった小型カメラのフィルム規格としてAPS(Advanced Photo System)がある。1996年にカメラ、フィルムともに発売されたAPS規格は、世界標準規格の新しい写真システムを目指して富士写真フィルム、イーストマン・コダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンが共同開発したものである。
APSは新規格の専用フィルム(IX240)を使用する。IXとは「Information Exchange」の略で、撮影時の設定、日時、プリントサイズ、枚数指定モコメントなどをフィルムにコーティングされた磁気面に記録しプリント時に利用できるためこの名がある。フィルム幅は24mm、画面寸法は16.7×30.2mmである。フィルムは小型のカートリッジに収められ、ミッド・ロール・チェンジ(MRC)機能に対応したカメラなら、撮影途中でのフィルム交換が可能になっている。ニコン、キヤノン、モノルタからは一眼レフも発売されたが、同時期に登場したデジタルカメラに押され、普及するに至らなかった。フィルム生産も2011年で終了した。唯一キヤノンIXYが、カードサイズ、ステンレス外装のデザインが人気を呼びヒットカメラとなった。

[掲載文献]
図解・カメラの歴史 P197
素材とデザインの教科書 P71