2019/09/14
OM707 1986年
一眼レフのAF化が急速に進んだ1980年代後半、オリンパスが出した本格的なAF一眼レフ。同時に広角24mmから望遠ズーム70-210mmまで8本の交換レンズも出された。
本格的なAF一眼レフとしてはミノルタα7000(1985年)、ニコンF501(1986年1月)に続く3番手。その後キョーセラ230AF(1986年、12月)、キヤノンEOS650(1987年)、ペンタックスSFX(1987年3月)と続く。
これまでのオリンパスOMシリーズとは継続性が無い全く新しいタイプで、後継機となる機種が続かず、OM707を最後にAF一眼レフから事実上の撤退、オリンパスのAF一眼レフはこれ一台で終了する。
形式:フォーカルプレーン自動露出、オートフォーカス一眼レフ
マウント:OMマウント、バヨネット交換式、AFレンズ対応
ファインダー:ペンタプリズム固定式、視野率93%、倍率0.8倍
スクリーン交換不可
シャッター:電子制御式縦走りフォーカルプレーン、2秒~1/2000秒
焦点調節:位相差方式AF
AF/PFのフォーカスモード切替ボタンのPF(パワーフォーカス)でマニュアルもモーターで行う。
AF測距用ビーム光源本体内蔵
露出調節:SPD素子TTLダイレクト測光、絞り優先AE(MFレンズ使用時)、
プログラムAE、中央部重点測光
フィルム感度:ISO25~3200
巻き上げ・巻き戻し:自動巻上げ(最高1.5コマ/秒)、Rボタンによる自動巻き戻し
フィルムカウンター:液晶ディスプレイ
シンクロ接点:ホットシュー
電池:LR03、1.5V4本(単4アルカリ電池4本)
大きさ・重さ:163×90×58mm、690g(パワーフラッシュグリップ300付き、電池入り)
価格:79,800円(パワーフラッシュグリップ300付き)
オリンパスAF ZOOM 35-70mm、F3.5-4.5レンズ付き 114,800円
マウントはOMが踏襲されているが、レンズ鏡胴には絞りリングもピントリングも無いためMF一眼レフには装着できない。(OM707にMFレンズは装着可能)
電源となるグリップ部が着脱でき、ポップアップストロボ内蔵型のグリップを装着することで本体とストロボが一体化される。
レバーやダイヤルが殆ど無く操作系はほぼ完全に自動化されている。
1988年に出たOM101はパワーフォーカス機であり、レンズにピントリングが無いためボディのパワーフォーカスダイヤルを右手親指で回転させマニュアルでピント合わせをするようになっている。
[掲載文献]
ニューフェース診断室、オリンパスの軌跡 P175
オリンパスの全て P68
往年のオリンパスカメラ図鑑 P102
日本カメラ博物館「世界を制した日本のカメラ」 P26