AF黎明期のモデル
ゼロインフォーカストリガーを使用した場合、ピントが合った瞬間にシャッターが切れるゼロインフォーカスが可能なフォーカスエイド機。
FA、合焦表示機能を組み込んだマニュアルシャッター付のTTL AE機。OM20と相前後して発売された。キャッチフレーズは「ゼロインフォーカス」
形式:フォーカルプレーン自動露出制御電子シャッター式35mm一眼レフ
像ずれ検出式フォーカスエイドカメラ
レンズマウント:オリンパスOMマウント、バヨネット式
ファインダー:ペンタプリズム固定式(フォーカシングスクリーン交換不可)
視野率93%、倍率0.92倍(50mm標準レンズ)
シャッタースピード:電子式布幕フォーカルプレーン、B、2~1/1000秒
セルフタイマー・レバー式12秒
ミラー:クイックリターン式
測光方式:TTL中央重点開放測光、SPD素子
オート時フィルム面からの反射光を測る平均測光
露出モード:マニュアル、絞り優先AE
シンクロ接点:ホットシュー、X接点
フィルム巻上げ:レバー式、分割巻上げ可、クランク式巻き戻し
電源:1.5V銀電池SR44またはLR44×5
大きさ・重さ:135×84×50mm、430g
発売当時価格:62,500円(ボディのみ)
50mm F1.4付 92,500円
バッテリーチェック:巻き戻しレバー基部にオート・マニュアル・B・バッテリーチェック・電源OFFのモードを切り替える5つの接点がある。バッテリーが充分ならば、レンズマウント向かって左側の赤色LEDが点灯。さらにボディ底部の電子音スイッチがONならば電子音が鳴りっぱなしになる。
露出制御は:絞り優先AEでダイヤルのオート位置は露出オート(AE)、フォーカスエイドはEAでもマニュアルでも働きっぱなし。モードダイヤルをOFFにすると表示LED、電子音ブザー、LSIなどの電源は切れるが、このままシャッターを切っても測光およびシャッター制御回路が働きAE露出が行われる。マニュアルに回すと表示はAEによって行われるがシャッター制御は手動となる。
OMシステムの普及タイプとしてシリーズ化された二桁シリーズの一機種。専用のAFレンズを使うとAF一眼となり、通常のMFズイコーレンズを装着するとフォーカスエイドが機能するAF一眼レフ黎明期のモデルであり、OM20にAF機能を追加したのがOM30である。
上部カバー、そこ蓋はABS樹脂製で銅・ニッケル・クロムの3層メッキを施してある。外形寸法はOM10と殆ど同じで重量は20g軽くなっている (OM10はトップカバーが樹脂製) 。フィルムパトローネの軸と結合するカメラ側の巻き取り軸までプラスチック化されている(OM30が最初?)。
ファインダーは中央直径2.5mmの円形にスプリットイメージプリズムがあり、その周辺直径5mmの円形にドーナツ状の領域は傾斜角8度の小さな四角錘を敷き詰めたマイクロプリズム部となっている。ファインダー視野の左側にプラスチックシートに1~1/1000秒までの秒時と露出オーバーマーク、ストロボ充電マークが刻まれ視野内に張り出し、これに沿って赤色LEDが点灯表示する。視野下辺にはピントの合否を電子的に表示するフォーカスエイド用の赤い三角形と緑の四角形のLEDが3個並ぶ。
OM20のボディをベースに電子ピント検出機構を搭載、専用レンズによるオートフォーカスを実現している。前面にインフォーカストリガーコードソケットが増設。このソケットとモータードライブを専用コードで連結すると、従来型のレンズでもピントが合った瞬間自動的にシャッターが切れる狙い撃ち撮影が可能になる。オートフォーカスのためのモーターとTTLピント検出機構を搭載した「ズイコーズーム35~70mm F4」も同時に発売された。
フォーカスエイド機構は装着レンズのF値に合わせてボディ側にF2とF4の切り替えダイヤルがあり、合焦精度を高めている。
伝統のTTLダイレクト測光に分割測光の基本形ともいえるESパターン測光を追加、逆光補正を自動化したOM40が2桁シリーズの最終型となる。
OM10 | 1979年 | ダイレクト測光を受け継いだOM普及モデルで、マニュアルも可能なオート専用機。43,000円 |
OM20 | 1982年 | マニュアルのシャッター速度を標準装備したM10。52,500円 |
OM30 | 1982年 | AFモジュール組み込みで可能になった合焦時のシャッターレリーズ。62,500円 |
OM40 | 1985年 | OM20にプログラムAEと逆光に強い2分割測光(ESパターン測光)を組み込んだモデル。中央部と周辺部の二つの領域を分割し、被写体の明るさや明暗さに応じて測光領域をコントロールする。「逆光強」のキャッチフレーズで宣伝していた。63,000円 |
[掲載文献]
ニューフェース診断室、オリンパスの軌跡 P128
オリンパスの全て P67
季刊クラシックカメラ12 オリンパス P21
銀塩カメラ至上主義 P140
金属カメラ・オールガイド P89
往年のオリンパスカメラ図鑑 P100