2019/10/10

120 GN 1982年


トイカメラの代名詞的カメラ、中国製
A-POWER INC. 輸入・発売

形式:レンズシャッター式、プラスチック製トイカメラ
120ブローニーフィルム使用 6×6cm、6×4.5cm
別売りでインスタントフィルムホルダーHolgaroidがある。
レンズ:60mm F8 ガラスレンズ
別売りでフィッシュアイレンズがある。
HOLGA製FEL-120 3,990円 日本製7,245円
シャッター:リーフシャッター 約1/100、B 多重写し防止機構無
フォーカス:1m~∞、目測(1m、3m、6m、8m以上、4段階マークに合わせる)
巻上げ:赤窓を見て巻上げダイヤルを回す
大きさ・重さ:140×102×76mm、195g
発売価格:5,880円

初代機HOLGA120Sは1982年香港で誕生、後に工場を広東に移転して製造されている。当初は135フィルムを想定していたため、意図せずにトンネル効果が出てしまったという。初代機HOLGA120Sはプラスチックレンズ、ガラスレンズ付きがWOCA120Gであるが、現行シリーズではWOCAの名は廃止となった。
「ホルガ」&「ウォカ」シリーズは、日本でもブームを起こしたトイカメラである。低価格と、その価格以上にチープな写り。ロシア製の「ロモLC-A」が、独特の写りからロモグラフィと形容されたように、ホルガもまた独特の世界を持っている。解像力、コントラスト、ボケ味など従来の写真用レンズに用いられる尺度は一切意味を持たない。全てを度外視したような劣悪な画質が他のカメラでは決して出せない味わいを醸し出す。
取説に、「この攻略ガイドには通常のカメラの説明書では記載されないような注意事項が多々あります。これは製品の不完全さからくるものですが、HOLGAはその不完全さゆえに世界中の写真ファンから支持されています。どうぞHOLGAのいたらなさを大目に見ていただき、その不思議な魅力をお楽しみください。」「HOLGAは世界一どうしようもないチャーミングで制御不能なカメラなのです、ルールはありません。自由にHOLGAを楽しんで下さい。Good Luck!」と書かれている。
ホルガの生み出す写真の一つはその特異なレンズ描写である。このカメラのレンズは、収差補正を無視したようなアウトフォーカス部分の像の流れ、極端に浅いピント、強い糸巻き型収差が生み出す垂線、平行線の歪みなど。これがこのカメラの個性として製品化されている。レンズのバリエーションはガラス製とプラスチック製の2種類あり、合焦部分で言うと、ガラスレンズがカチッとしているのとは対照的にプラスチックレンズのほうは甘く柔らかな印象になる。
「ホルガ」(HOLGA)の基本モデルはプラスチックレンズ。レンズをガラス玉に変更したグレードアップモデルが「ウォカ」(WOCA)。基本ボディはそのままでフラッシュ内蔵モデルがラインアップされている。さらにポラロイドホルダーをセットしたものが「ポルガ」と呼ばれる。また110判の「ベイビーホルガ」などがあり、ホルガの世界は増殖している。
このモデルはストロボが付いていないが、ホットシューが付いているので外付が可能。
魚眼、テレ、マクロクローズアップ、などのレンズの他ストロボなど各種のアクセサリーが発売されている。
2012年現在のシリーズでは、HOLGA120N(4830円)/FN/CFN/GN/GFN/GCFN(最上位機種 9500円)の6種類がラインアップされている。Gはガラス玉レンズ、Fはストロボ内蔵、Cはカラーフィルター付を表している。これらの他に二眼タイプ(HOLGA 120TLR、HOLGA 120GTLR)、ピンホールカメラ(HOLGA PC)、120°広角ピンホールカメラ(HOLGA120WPC)、ステレオピンホールカメラ(HOLGA120PC-3D)がラインアップされている。
「フジペット」や「写るんです」はフィルム面を湾曲させて湾曲収差を補正しているが、HOLGAでは平面なので画面周辺部は像が流れる。トンネル効果と合わせて独特の味を醸し出している。
お天気スイッチは効果が出ないことで有名。

[掲載文献]
スナップ№6「オシャレなフィルムカメラをゆったり楽しむ本」使い方 P66
きまぐれカメラBOOK (使い方) P56
らくらくカメラ大図鑑 P112
ロシア製カメラ&中国製カメラの攻略ガイド P27
ファットフォト P34
写真工業 2005年9月号 V0l63 №677 P66