「スタート35」は、1950年に野村光学研究所で生産され、一光社から発売されたボルタ判カメラで、ベークライト製ボックスカメラである。スタート35には、名前は異なるが形がよく似た「リッチレイ35」「リチカ」「エボニー35」などが存在する。
販売時期は「スタート35」より遅いが「リッチレイ35」と「リチカ」は1951年から1952年の2年間で合計14機種が販売された。これは、「スタート35」の発売にかかわった野村光学研究所がリッチレイ商会の販売ルートに名前を変えたカメラを出荷したと考えられるが、1951年からはリッチレイ商会が独自で生産したようである。
フィルム:ボルタ判、画面サイズ24×24mm
ファインダー:素通し
レンズ:メニスカス単玉 固定焦点 45㎜ F11
シャッター:ロータリーシャッター、B、1/30
絞り:F8、円盤挿入でF11、16
巻上げ:赤窓式、12枚撮り
寸法・重さ:83×57×53mm、136g
発売時価格:
エボニーは1956年発売のスタート35K型に構造は似ている。K型は47mm F16のみ。画面サイズは24×34mmに拡大している。
エボニー35・デラックスは1955年発売。フィルムゲートを湾曲させて、写りを良くしている。(会津・末広クラシックカメラ博物館)
エボニー35・デラックスⅡSは1957年発売。ホーエイスペシャル50mmF8付き800円であった。
[掲載文献]
写真工業 2006年10月号(Vol64 №690) P46
学研「大人の科学 Vol.25」 P40
