2019/10/19

F90X 1994年


AFと連写速度の向上により動体撮影に強くなった、F-801の操作体系を受け継ぐF二桁機の最高峰。

形式:TTLマルチモードAE 35mm AF一眼レフ
露出制御:マルチプログラムオート、シャッター速度優先オート、絞り優先オート
マニュアル、イメージプログラム(ポートレートモード、シルエットモードなど7つのイメージプログラム)
測光方式:TTLマルチパターン測光(3D 8分割、8分割)、中央部重点測光、スポット測光(受光素子SPD)、
被写体までの距離を加味した新しい測光方式である3D測光
測光範囲:EV1~21
ISO感度設定:6~6400
露出補正:1/3段ステップ、±5EV
ファインダー:アイレベル固定式、視野率92%、倍率0.78倍
逆入光を防ぐアイピースシャッター装備。
スクリーン:交換式(2種類)、標準クリアマットⅠ
AF測距点:1点(予測駆動フォーカス)
シャッター:電子制御式 縦走りフォーカルプレーン
B、30秒~1/8000秒、シンクロ1/250秒
モータードライブ内蔵 4.3コマ/秒
フィルム給送:電動巻上げ、高速時最高4.3コマ/秒
大きさ・重さ:154×106×69mm、755g
価格:138,000円、XD150,000円、XS165,000円

F90シリーズは、1992年の初代機F90のデビュー以来、内外で実力派カメラとしての評価を高めてきた。プロの現場でも積極的に使われ実証されてきた。
専用コードで電子手帳と接続してカメラをコントロールしたり、世界24地域の現地時間とサマータイムに対応したデータバックなど、AF時代の本格的な電子化の先端を行くようなハイテクモデルとしてセンセーションを呼んだ。
F90XはマイナーチェンジモデルでAFの高速化(レンズ駆動速度が25%アップ)と高精度化、フィルムの巻き上げ速度が毎秒3.6コマから4.1コマにアップ、シャッター速度が1/3段の変更ができるようになったなど機能が大幅に向上し、より信頼性の高いカメラにステップアップしている。

F90シリーズは、最高のテクノロジーが惜しみなく投入された高性能機であり、フラッグシップ機であるF4を上回るAF機能を採用。中級機のジャンルに入るが、F-100に匹敵する位置づけのモデルであり、高級機といった方が当たっているモデルといえる。
同時に発売されたDタイプAFニッコールレンズを使用すれば、3D 8分割マルチパターン測光ができる他、スピードライト用の5分割センサーのデータに基づく3D マルチBL調光が可能となっている。このスピードライト自動調光システムは、発売当時はもちろん、現在においても頂点に君臨するもの。専用の外部ストロボを使用してFP発光モードを選択すれば、1/8000秒までスピードライト同調できるので、3D マルチBL調光を振る活用した撮影も可能となる。
1994年にAFのさらなる高速化などグレードアップしたのがF90Xである。
データパックのちがいにより3タイプがラインナップされているが、本体は全く同じ。
F-90XD:日付け、時刻などを写し込めるデータバックMF-25を標準装備
F-90XS:マルチコントロールパックMF-26を標準装備。日付け、撮影データの写し込みに加え、カメラボディ制御機能を搭載。AFブラケティング、スピードライトブラケティング、調光補正、多重露出などの機能。

別売りアクセサリーに縦位置グリップMB-10が用意されている。リチウム電池が使用可能となり、低温下での安心感が高くなる。

[掲載文献]
CAPA ニコン一眼レフのすべて P108
趣味のニコンカメラ P121
ニコンカメラのココが一番・攻略百科 P61
写真工業 2007年 1月 №693 P
完カタ・中古カメラ Vol.5「今すぐ買える中古カメラ完全カタログ5」 P62