2019/10/18
M2 セルフ付 1958年
M3の普及型として、ライカMPをベースにコストダウンに主眼をおいて開発されたモデル。性能も複雑さも最高だったM3のファインダーを大幅に簡略化したが、見え味に変わりない。ファインダーは35/50/90mm用のブライトフレームが単独で出現し、全て直線で構成されているため、すっきりして見やすい。
ファインダー倍率を下げ35mm対応としていて、35mm広角レンズを常用する人にはM3よりはるかに使いやすい。
二重像部には上下に幅の異なる切込みがあり、上部はF16、下部はF5.6の絞りの時の焦点深度を示している。
ファインダー・フレーム:35mmを追加し、135mmを省略した。
このファインダーの基本設計が以降のモデルに踏襲される。パララックス自動補正M3では50mmフレームが残っていたが、M2では装着レンズのフレームのみ出る。ファインダー倍率:0.72倍
フィルムカウンター:手動リセット
大きさ・重さ:140×77×38mm 580g(ボディのみ)
M2は廉価版(発売時はM3より2割ほど安かった)であったため、当初のモデルにはセルフタイマーは無く、コマ数計はMP型と同じ手動設定式、巻き戻しの際には巻き戻しボタンをずっと押していなければならなかった。その後販売期間中にユーザーからの要望でセルフタイマーが備わるなどグレードアップしていき、最終型はコマ数計やファインダー以外はM3と同等となっている。
1970年まで製造。87,576台製造された。製造番号は、926000~1207001の範囲。
そのうち約2000台がブラックペイント。約20台が西ドイツ空軍用のグレーペイント。
[掲載文献]
カメラの歴史散歩道 P189
クラシックカメラの世界 P30
世界ヴィンテージ・カメラ大全 P20
中古カメラウイルス図鑑 P108
中古カメラの愉しみ P94
極上カメラ100 P12
中古カメラの愉しみ(金属人類学入門) P94