2019/10/17

S2スーパー(後期型) 1962年


ファィンダー:ペンタプリズム固定式、マイクロプリズム
クイックリターンミラー
交換レンズ:M42レンズ、標準レンズ スーパータクマー55mm F2 (№2171036)
シャッター:布幕横走りフォーカルプレーン、セルフタイマー無 B、1~1/1000秒
フィルム給送:レバー巻上げ、クランク巻き戻し
カウンター:自動復元式
露出計:外付け、CdS受光素子式
大きさ・重さ:145×92×87mm、975g(標準レンズ付き)
価格:30,600円、ケース2,400円

初代S2は1959年発売で、Kの普及機との位置づけであったが、同社で製造した一眼レフカメラでシャッター速度を一軸にした最初のモデルであった。S2は当初は半自動絞り機構内蔵で、最高速度が1/500秒であったが、1961年にS2の発展型S3が発売されると半自動絞り機構を残したままシャッター速度をS3同様1/1000秒を装備し、シャッターダイヤルに連動するペンタックスメーターを装着可能とした。これを標準S2と分類している。
1962年SVの普及モデルとして登場したS2スーパーは、これら標準S2とS3を合わせた発展型と考えてよく、シャッター速度は1/1000秒、完全自動絞りを内蔵、自動復元式のフィルムカウンターを装備した。これらのことから、旭光学の一眼レフの「一つの完成型」という位置づけになる。
上位モデルに相当するSVとの大きな違いは、セルフタイマーの有無ぐらいで、価格はスーパータクマー55mm F2付きで36,000円と相変わらず安価である。
SVと同様完全自動絞り機構を搭載し、スーパータクマーに対応した。自動復元のフィルムカウンター、1/1000秒までのシャッター速度がS2との区別ポイントで、ボディのどこにも「SUPER」とは入っていない。また、それまで裏蓋開閉時に裏蓋側に開閉用の爪がついていたが、S2スーパーから開閉金具のみとなり、ボディ側に残る機構となった。
S2スーパーは、日本国内だけで発売されたモデルで、フィルムカウンターが自動復元式になった後期型(前期型は手動セット)で、SVからセルフタイマーを除いたボディになっている。S2スーパーはシリーズ中最も安価であり、よく売れたという。
S2スーパーはSPとその普及機SL発売当初は併売されていたが、1070年のカメラショーのカタログから掲載されなくなったことから、最初のS2から数えて10年経過した1969年に製造を中止したようである。

[掲載文献]
ペンタックスのすべて P39
世界ヴィンテージ・カメラ大全 P253
写真工業 2006年1月 №681 P48
往年のペンタックスカメラ図鑑 P61
こだわりのカメラ選び Part2 P132
マニュアルカメラ全集 P19
入門金属カメラオールガイド P40
2000-2001 カメラこだわり読本 P65