工事現場で撮影される記録写真が相当あることは、フィルムや印画紙を販売していたコニカはよくわかっていた。これらの現場で使われるカメラは使い方が荒っぽい。たくさん写真を撮るだけでなく、丁寧には扱われない消耗品である。しかし、この場合カメラは資産ではなく、経費で落とされる。この消耗品は一台売ったら御仕舞いの市場ではない。
ネーミングもカメラの特性を表していて、狙いが鮮明である。アウトドアで使おうとする一般ユーザーも獲得し、安定した商品となった。
特殊なカメラとして、現場監督をベースに、GPS情報を衛星から受けて、撮影地点の位置と撮影方向を画面に写しこむ「ランドマスター」というカメラも開発された。
フィルム:135フィルム、自動給送
レンズ:コニカ28mm F3.5 5群5枚構成
シャッター:1/4~1/280秒、2秒バルブ付
焦点調節:AF、0.5m~∞
その他:防浸形
電源:2CR5
大きさ・重さ:146×79×57 mm、 350 g
発売時価格:39,000円
1988年発売「現場監督」から数度のモデルチェンジとマーケティングの結果生まれたモデル。現場全体を撮影するために広角レンズを装着、従来から定評の防塵、防砂、耐ショックに加え、水で洗えることが大きな特徴で、ユーザーの信頼性をさらに確固たるものにした。大光量フラッシュを搭載した「コニカ現場監督28HG」および1996年発売の「コニカ現場監督ズーム」によって「現場監督シリーズ」がラインアップされている。
1988年 | 「現場監督」初代 |
1989年 | 「現場監督DD」 2焦点レンズ |
1990年 | 「現場監督28」 28mm F3.5レンズ |
1992年 | 「NEW現場監督28」 35mm F3.5レンズ |
1993年 | 「NEW現場監督」 35mm F3.5レンズ |
1994年 | 「現場監督28WB」 28mm F3.5レンズ 水洗可能とした |
「現場監督WB」 35mm F3.5レンズ 〃 | |
1995年 | 「現場監督28EB HG」 |
1996年 | 「現場監督28EB HGズーム」 28mm F3.5~56mm F6.7ズームレンズ |
1998年 | 「デジタル現場監督DG-1」 |
[掲載文献]
コニカカメラの50年 P75