初代のコニカA4(ビッグミニ)はズームレンズ付コンパクトカメラ全盛の時、単焦点レンズを付けた高級コンパクトカメラを発売、その後の高級コンパクトカメラの口火を切ったカメラ。本機はBM201に続く三代目。
コンパクトカメラの新しい姿を作る上で重要な意味を持ったカメラ。
ファインダー:アルバダ式ブライトフレーム、倍率0.45倍、視野率83%
レンズ:コニカレンズ 35mm F3.5(4群4枚構成) 沈胴式レンズ鏡胴
スカイライトフィルター内蔵
焦点調節:赤外線ノンスキャンアクティブAF、0.35m~∞
オートフォーカシング、初代と二代目がAFステップ数23なのに198ステップへと大幅に進歩、AE、AFロック、無限遠モード付
シャッター:電子制御プログラム 7.5秒~1/360秒
初代、二代目の1/500秒よりダウンした。
露出:プログラム式 CdS素子による中央重点測光、電子制御プログラムAE
EV1~17
フィルム感度:ISO25~3200自動設定
小型ストロボ内蔵:自動発光、強制発光、発行停止、赤目低減対応など
ストロボ内臓、モーター巻上げ・巻き戻し、オートデート機構
セルフタイマー付き
フィルム給送:オートローディング、自動巻上げ、巻き戻し
電池:リチウム電池 3V CR123AまたはDL123A×1
その他:ボディはアルミ製
大きさ・重さ:114×62×30 mm、175 g (電池別)
初代機117×63×36 mm、195 gであり小型化が進んでいる
発売当時価格:39,000円(ケース付)
コンパクト・ズーム機が出現し、カメラの高機能化が進む中で大型化の傾向が出始める。これに対抗し、原点回帰を計ったカメラが「ビッグミニ」だった。製品名は最初、A4サイズの接写ができたことから「A4」だったが、販売実績に裏打ちされ「Big-Mini」が製品名に採用された。
初代のビッグミニ(1989年発売)は、鎧戸式の自動レンズ・バリアの動きがメカニズム好きのマニア心をくすぐった。後継機の「BM201」からはプロテクター・ガラス付きになって防塵性が増した。また、初代機ではクローズアップ時には繰り出しボタンを押す必要があったが、これが不要になるなどの改良が行われた。最後はF2.8付きの「BM-F」までいった。
1975年に「コニカC35EF」が登場すると、ストロボの内蔵が一般化し、1977年に「コニカC35AF」が登場してAF(オートフォーカス)機能が圧倒的な支持を得て、コンパクトカメラは大きなステップを踏み出す。その後モーター内蔵によるフィルム巻上げ・巻き戻しの自動化、デート機能が当たり前になり、コンパクトカメラの標準的諸元が固められた。しかし、一旦小型化し始めた流れが元に戻り、多少の大型化が容認される傾向が出てきた。更にコンパクトカメラの新しい機能として1985年に2焦点方式、1986年ズームレンズ内蔵が登場すると一挙にその方向に向かった。日本市場では、35mmレンズシャッターカメラの中に占めるこれら多焦点カメラの比率が7割に達し、それがズーム比の高倍率化競争も加わり、大型化の傾向を示した。
ただし、この時期にも小型化のニーズはあり、1974年「ミノックス35」、1979年「オリンパスXA」、「ミノルタAF-C」、「キヤノンMC」などが市場に出て、一時的にストロボのない超小型の35mmカメラの流れを生み、次の段階への刺激となっていた。
[掲載文献]
コニカカメラの50年 P76
カメラの歴史散歩道 P54 P358
20世紀☆カメラ P73