2019/09/26

コニカFP 1962年


(標準レンズ・ケース・レンズキャップ・取説付き)

コニカF(1960年)、コニカFS(1960年)に続いた3代目のコニカ一眼レフ。
コニカF、コニカFSと同様、完全ユニット化のメタルフォーカルプレーンシャッターを装着。

ファインダー:ペンタプリズム固定式、フレネルレンズ・マイクロダイヤプリズム
改良アンバーコーティング
標準レンズ:ヘキサノン52mm F1.8 (5群6枚構成) №4314936
最短撮影距離:0.6m
マウント:バヨネット式コニカマウント 口径40mm フランジバック40.5mm
絞り:完全自動絞り、手動絞り機構付き
ミラー:クイックリターン式
シャッター:コパルスクウェア、縦走行4枚メタルフォーカルプレーン
等間隔倍数系列目盛、一軸不回転ダイヤル、
B、1~1/1000秒 セルフタイマー付
シンクロ接点:M、X接点 M級バルブ全速同調、X接点1/125秒まで同調
露出計:クリップオンタイプの外付けCdSコニカライトメーターがシャッター速度に連動
フィルム給送:一作動レバー巻上げ、セルフコッキング、巻上げ角180°
クランク巻き戻し
大きさ・重さ:145×102.5×49mm、765g
価格:34,800円 ケース2,200円

コニカは、全く新しい発想で金属幕縦走りフォーカルプレーンシャッターを開発。これを搭載したコニカFはフォーカルプレーンシャッター式カメラとして、世界初の1/2000秒を実現。ストロボ同調速度も1/125秒と当時世界一のスペックを誇るカメラとなった。
コニカFはセレン式露出計を内蔵し、当時ニコンFより高価格で発売された。
このシャッターは、その後コパルに開発が引き継がれ、有名なコパルスクウェアになる。このシャッターは、ユニット式のためカメラに容易に組み込むことができ、いろいろなメーカーの一眼レフに搭載される。更に、1980年ニコンとの共同開発により1/4000秒、さらに1/8000秒と高速化された。そのルーツとしてコニカFはカメラ史上特別な位置を占める。コニカFから露出計を外したものがコニカFSである。
FSではマウントの爪自体をバネとしていたのを、レンズ脱着ボタンの位置を変更、新たに圧着バネを設け、装着の確実を期した。貼り皮はグレーから一般的な黒に戻った。

このシャッターは背が高いため、このカメラも背が高くなっている。

1964年CdS露出計を正面右肩の位置に受光窓を付けたFMを出した。

コニカFは縦走り金属幕シャッターの生産性が悪く、調整や修理に手間取り、結局900台ほどが生産されるにとどまり、うち800台がアメリカに出荷されたただけで、国内販売は中止された。
しかし、シャッター専門メーカーのコパル社が金属幕シャッターをユニット化し、コパルスクウェアとして開発。それを装備した「FS」を準備していたことから、コニカFに遅れること数ヶ月の1960年12月にFSが発売された。
コニカFは標準レンズ付き69,000円であり、FSはF2付きで41,500円、FPは34,800円と大幅に下げられた。

コニカ第一世代の35mm一眼レフの販売総数は12万5000台を少し上回る程度で、一世代前のコニカⅡグループの総台数とほぼ同じでしかなく、一眼レフへの参入は果たしたものの思い通りにはいかなかった。

[掲載文献]
世界ヴィンテージカメラ大全 P230
コニカカメラの50年 P 92
入門金属カメラオールガイド P31