2019/09/23
AF35M オートボーイ 1979年
AFとモーター巻上げを組み合わせて、新しい35mmコンパクトカメラのスタイルを市場に定着させた。
形式:35mmレンズシャッターAF・プログラムEE式カメラ、スピードライト内蔵
レンズ:キヤノンレンズ38mm F2.8 3群4枚構成
ファインダー:採光式ブライトフレーム。ゾーンフォーカスマークおよび指針
ピント調節:赤外線アクティブ式
露出制御:プログラムAE SPC素子、EV6~17
シャッター:プログラムAE式絞り兼用電子制御シャッター。1/8~1/500秒
セルフタイマー付き
内蔵ストロボ:ポップアップ式、ガイド№14
フィルム巻上げ:モーター巻き上げ、シャッターボタンの戻しで自動スタート
電源:単3乾電池2本
大きさ・重さ:132.4×76.9×53.6mm、372g(電池込み405g)
発売当時の価格:42,800円
ハネウェル社のパッシブ方式のVAFを採用し、性能もデザインも似たようなカメラばかりになっていた国産AFコンパクトカメラの分野で、初めて独自開発のアクティブ方式のセンサーによるオートフォーカスを実現したのが、キヤノンAF35M「オートボーイ」である。
このカメラのオートフォーカスは、近赤外線発光ダイオードを利用した三角測距のアクティブ方式で、二重像合致式距離計の可動ミラーの代わりに、発光ダイオードを回転させている。被写体が遠距離になると赤外線が届かず測距不能になるが、近距離になればなるほど測距精度は上がる。距離7.3mから無限遠までは同じピント位置で、被写界深度でカバーする。
近赤外線を放射する機構は、この頃に開発されたオプチカルファイバー使用の光通信用の発光ダイオードを使用している。
暗いところでのピント合わせに強いことから大ヒット商品になった。
[掲載文献]
カメラレビュー クラシックカメラ専科 №31 「キヤノンハンドブック」 P92
20世紀☆カメラ1950~2000 P55
神立尚紀 図解・カメラの歴史 P202、205
カメラの歴史散歩道 P358
日本カメラ博物館「世界を制した日本のカメラ」 P24