2019/09/24

イーストマン・コダック (アメリカ)

イーストマン・コダック社の歴史は銀塩写真の発展の歴史そのものであった。
創立者ジョージ・イーストマンは1881年乾板の大量生産法を確立し、1888年紙の支持体に感光乳剤を塗布した画期的なロールフィルムを開発。これをあらかじめ装填した「コダック」カメラを発売。撮影後カメラを回収してプリントを使用者に返すという方法でこのカメラを大成功に導いた。
翌1889年にセルロイドベースに乳剤を塗布するロールフィルムを開発。世界のフィルムメーカーはコダック社のフォーマットに準じたフィルムを製造してきた。
1934年に初めて35mmフィルムの分野に参入したが、このときドイツ・コダック社で新型カメラ「レチナ」を開発し、同時に35mmパトローネを開発した。パトローネはその便利さから一気に普及した。
1935年には世界初の多層式カラーフィルム「コダクローム」を開発した。
コダック社は自社のフィルムを拡販するために、カメラを開発し販売してきたが、その種類は世界一で、特に第二次大戦前は、普及機から高級機、パノラマカメラやステレオカメラといった特殊カメラまで実に多様なカメラを作った。
コダック社は1960年代後半から自社が開発した新しいフォーマットのカメラに特化するようになり、一般的なカメラの製造を行わなくなった。

(世界ヴィンテージ・カメラ大全 P57)