2019/09/26

C35AF (ジャスピンコニカ) 1977年


世界初のオートフォーカス(AF)式35mmレンズシャッター・カメラ。
ハネウェル社のビジトロニック(VAF)モジュールを採用して実現した。C35EF(ピッカリコニカ)にAF機構を組み込んだもの。パッシブ型AF。
このカメラからAF型コンパクトカメラの時代が始まる。

レンズ:ヘキサノン 38mm F2.8
焦点調節:パッシブ式オートフォーカシング
露出:3速式ビハインド・シャッターによるプログラム式CdS・AE
1/60、1/125、1/250
小型ストロボ内蔵:カメラ向かってレンズの右下のボタンを押すとストロボが上に上がり、スイッチオンし、ストロボ撮影となる。
巻き上げ:レバー巻上げ
大きさ・重さ:133×82×55 mm、380 g (電池別、コニカC35EFより少し大型化した)
発売当時価格:42,800円

自動焦点カメラはコニカを含め各社が試作品を発表していたが、いずれも大きく実用になるようなものではなかった。
フィルムを巻き上げとともに、レンズを最接近距離までいっぱいに繰り出す。レリーズを押し測距が開始されると同時にスプリングの力で、レンズは無限遠位置に向かって後退を始め、合焦した時点で後退を止めるという仕組みで、小型化が可能になった。
開発の責任者は内田康男であった。(1981年 科学技術庁長官賞を受賞)
このカメラはアメリカ、ハネウエル社が開発したVAF(ビジトロニック・オートフォーカス)モジュールというセンサーを利用している。
「ピッカリコニカ」と「ジャスピンコニカ」の二連続のヒットで、コニカのレンズシャッター・カメラのシェアは40%を超えるまでになった。
「ジャスピンコニカ」は発売10ヶ月で40万台を売り、ピーク時には月産8万台を記録、2年間で100万台を突破した。
コニカは小型化で競争優位が維持できると考えていたが、カメラの流れはさらなる自動化に向かう。まずキヤノン・オートボーイが出る。オートボーイはフィルム巻上げの自動化とともに、測距方式に赤外線を発射して測定するアクティブ方式を導入、低輝度での測距性能を向上した。コニカはこれに対抗したが大型化してシェア回復にはならなかった。

[掲載文献]
図説 カメラの歴史 P190
カメラレビュー8 「モダンテスト」 P105
コニカカメラの50年 P70
カメラの歴史散歩道 P355
神立尚紀 図解・カメラの歴史 P201
小倉磐夫 「国産カメラ開発物語」 P163