1936年に発売。レンズの性能から大人気となり、戦後復刻版が出て、1955年ころまで製造され、人気のあった3×4cm判の国産カメラである。3×4cm判は1930年にドイツで発売されたコリブリやメントール・ドラフィアから始まるベスト判を半分にしたサイズである。
ゲルトの初号機は黒皮貼りに黒いエナメル仕上げ、グリンメル・アナスチグマット50mmF4.5に1号ゲルトシャッター(T.B.1/25,1/50,1/100)52円、2号ゲルトシャッター(T.B.1/5,1/10,1/25,1/50,1/100,1/250)58円であった。これは3×4cm判では高価な部類でノバー付ベビーイコンタの中古品とほぼ同価格であった。
最終機まで数回のマイナーチェンジがあり、メーカーも高橋光学、東亜光機、新和精機に変わっているが、名称変更か会社が替わったのかは不明。
このモデルは、貼り皮を廃し金属の模様仕上げとなっている。
使用フィルム:127判
画面サイズ:3×4cm
レンズ:GRIMMELアナスチグマット50㎜ F3.5 沈胴式
絞り:F3.5~22
シャッター:ゲルトシャッター T、B、1/5~1/250秒
フィルム装填:ニコンF方式
寸法・重さ:94.5×78×59mm、410g
発売時価格:
[掲載文献]
写真工業 2008年11月号(Vol66 №715) P42