2019/09/25

EEマチック デラックス 1965年


レンズ:ヘキサノン40mm F2.8 3群4枚構成
焦点調節:前玉回転式
シャッター:セイコーシャLA 1/30~1/250秒 プログラム自動シャッター
B(絞り開放のみ)、セルフタイマー付
ファインダー:ニ重像合致式 採光窓ブライトフレーム 倍率0.6倍
露出調節:セレン式、EE機構による自動調節(プログラム式)
絞り設定:F2.8~F22
感度設定:ASA12~400
ガイドナンバー:距離mに対して10~80
大きさ・重さ:130×86×67mm、635g
価格:12,800円 ケース1,700円

「EEマチックシリーズ」

EEマチック 1963年 フラッシュマチック機構採用の最初
EEマチック・デラックス 1965年 3月
EEマチックS 1965年 11月 クイックローディングスプール使用
EEマチック・ニューデラックス 1965年 11月
EEマチック・デラックスF 1967年 8月 AGバルブとフラッシュキューブ兼用
EEマチック・デラックス2 1967年

この中でEEマチック、EEマチックS、EEマチック・デラックスFは「日本の歴史的カメラ」に選定されている。

国産最初の自動露出カメラはオリンパス・オートアイ(1960年5月 2万円)。その後がキヤノネットで発表が同年の8月だったが、2万円以下の価格が問題となり、翌年1961年1月の発売となる。コニカは、このような業界の流れの中で遅れをとり、1963年にようやくEEマチックを出すが、遅れただけに特色を持たせたいとフラッシュマチック機構を備えたカメラとして発売した。それまでは、フラッシュ撮影時の絞りの設定は、フラッシュの持つ光量(ガイドナンバー)を被写体までの距離で除した値を絞りとして設定する作業が必要だった。フラッシュマチック方式は、ガイドナンバーを距離リングに設定すれば、焦点合わせに自動的に適正絞り値が設定される機構である。

1963年新宿・淀橋から八王子に移転した時、東洋一といわれたカメラ工場で流れ始めたのがEEマチックとオートSであった。
EEマチックは自動露出のみでマニュアル露出はできない。焦点調節が前玉回転などの点で、オートSに対して普及機クラスの位置づけである。この関係はC35がヒットするまで続き、標準型(オートS)と普及型(EEマチック)の2系列のレンズシャッターカメラを市場に送った。
EEマチックのシリーズは、コニカの普及機として初めて成功したもので、総計で約63万台販売した。
1965年3月にレンズを3群3枚のトリプレット型から3群4枚のテッサー型に改良し、セルフタイマーを組み込んだEEマチック・デラックスを発売。1965年11月にコニリールシステムというフィルム装填の簡易化を採用したEEマチックSに改良された。デラックスはコニリール方式の装填改良を取り入れ、EEマチック・ニューデラックスとして1965年11月に改称される。
1967年8月に完全な新型としてEEマチック・デラックスFが発売。コニカのカメラとして初めてプラスチックのボディを採用、大幅な軽量化が計られた。ニューデラックスの630gに対してデラックスFは540g。フラッシュソケットを除いたデラックス2は500gの軽量だった。また、デラックスFでは露出計がセレン式からCdS式に変わり、AG球またはフラッシュキューブが差し込めるソケットが内蔵された。この装置を省いた機種がデラックス2である。この2機種には、コニカ初のシチズン製のシャッターが採用された。

[掲載文献]
コニカカメラの50年 P49

[修理マニュアル]
レンズシャッターカメラ修理教室 P171