2019/09/23
EOS Kiss 1993年
キヤノンが女性層にターゲットを絞って発売したカメラ。
マルチモード、30秒~1/2000秒のシャッターなど最高級機といえるスペックであるが、ペンタプリズムの代わりにダハミラー式アイレベルファインダーを採用。発売当初は世界最小、最軽量のAFマルチモード一眼レフで、手軽に簡単操作で使える一眼レフとして、「Kiss」の名も相まって広くファミリー層に浸透し、大ヒット商品となり、長期間にわたりAF一眼レフのトップシェアを守った。
観光地では土鳩のように見慣れたカメラであった。
高性能化とともに大型化したAF機だが、再びより小さく、より気軽に使えるカメラを開発する動きが出て、1991年ペンタックスが普及版MF機に近い大きさ・重さでファインダー表示を簡略化したZ-10を発売すると、AF一眼レフの小型軽量化、大衆化が一気に進んだ。1993年発売の本機EOS-Kiss、1995年ペンタックスMZ-5、1998年ミノルタのα-Aweetなどである。2001年頃には日本で生産される一眼レフの90%ほどがAF機といわれた。
大きさ・重さ:145×92×62mm、367g
価格:ズームレンズ付89,000円
後継機として、ニューEOS Kiss(1996年)、EOS KissⅢ(1999年)が発売されている。
[掲載文献]
カメラレビュー クラシックカメラ専科 №31 「キヤノンハンドブック」 P76
20世紀☆カメラ1950~2000 P 81
図解カメラの歴史 P223