2019/09/23
EOS650 1987年
1985年ミノルタα7000が出て、αショックを追撃するべく、ニコン(F501)、京セラ(京セラ230AF)に続いてキヤノン(EOS650)とペンタックス(ペンタックスSFX)にAF一眼レフが登場。
ミノルタα7000によってキヤノンはAE-1以来維持してきたシェア№1を奪われるが、2年後の1987年EOS650を出し、2ヵ月後にシェア№1を奪回した。
EOS650は、FDマウントを捨て、レンズ鏡筒にモーターを内蔵させたピント調節を組み込む機構を始めて採用したEFマウントとともに登場した35mmAF一眼レフカメラ。
EFマウントはEOSデジタルにも使用されている。
マウント:EFマウント
標準ズームレンズ:キヤノンズームレンズ EF35-70mm F3.5-4.5 (№1320202)
露出調節:±5EV、0.5ステップ
測距方式:BASIS(Base Stored Image Sensor)と呼ばれるCMOS測距センサー採用
焦点調節:M、AF
撮影モード:M、P、Tv、Av、DEPTH
ファインダー:アイレベル固定式、撮影モード・シャッター速度・絞りが表示
シャッター:金属幕縦走りフォーカルプレーン、B、30~1/2000秒
巻き上げ・巻き戻し:自動巻上げ・巻き戻し
電源:2CR5 1本
大きさ・重さ:149×109×64、687g(標準ズームEF35-70 F3.5-4.5付952g)
発売時価格:
キヤノンEOS650はR、FL、FDと技術の進化のためには従来ユーザーを切り捨ててもマウントを変えてきたキヤノンが、またもマウントを変更して勝負に打って出たカメラである。
ミノルタα-7000以降、AF一眼レフの連動機構は、ボディ内にレンズ駆動用モーターを内蔵し、マウント面に設けられたAFカプラーを介してレンズを駆動する「ボディ内モーター」が一般化しつつあったが、キヤノンはレンズ内にモーターを内蔵する「レンズ内モーター」方式を採用した。
さらに新開発の超音波モーターを用い、作動音が静かでしかも応答速度が早いAFを実現した。
EOSに採用された新しいキヤノンEFマウントには機械的な連動機構は一切無く、電気接点を介して全ての動作を制御する。
ここでようやくミノルタα-7000のライバルが登場したことになった。
[掲載文献]
カメラレビュー クラシックカメラ専科 №31 「キヤノンハンドブック」 P70
20世紀☆カメラ1950~2000 P 71
図解カメラの歴史 P214
日本カメラ博物館「世界を制した日本のカメラ」 P26