2019/09/23

EXオート 1972年


初代EX EE は1968年の発売で、キヤノン初のシャッタースピード優先式の一眼レフで、シャッタースピード優先式TTL・AE、明るい空中像ファインダー、前玉交換式といったユニークな一眼レフであった。EXオートは手動式であった前群交換式レンズの開放F値を自動補正するように改良された。

形式:前群のレンズを交換式する方式のフォーカルプレーンシャッター付一眼レフ。
標準レンズ:EX50mm F1.8(2群3枚構成の後群系はボディ側)
マウント:専用ネジ式マウント(前群交換式EXマウント)
シャッター:2軸式布幕横走行フォーカルプレーン、X、B、1/8~1/500秒、セルフ付
フラッシュシンクロ:FP、X接点自動切換え式、ドイツ型ソケットおよびホットシュー
ファインダー:ペンタプリズム固定アイレベル式
視野中央にマイクロプリズム式距離計を持つコンデンサーレンズとフレネルスクリーンによる空中像式ファインダー。
倍率0.9倍(EX50mm)、視野率 上下92%
視野内に露出計指針、絞り目盛、高低警告マーク
露出制御:CdS素子使用。TTL開放測光シャッタースピード優先式AE
フィルム装填・給送:裏蓋開閉オートローディング
レバー巻上げ174度回転、予備角21度、小刻み巻上げ可能
クランク巻き戻し
フイルムカウンター:裏蓋開閉により自動復帰、順算式
大きさ・重さ:142.5×91.5×84mm、900g(EX50mm F1.8付)
価格:39,000円(EX50mm F1.8付)

前群系交換レンズ:EX35mm F3.5用(3群3枚構成)8,000円、
EX95mm F3.5用(4群6枚構成)11,000円、
EX125mm F3.5用(5群7枚構成)18,900円
いずれもケース、フード付

発売時はEXEEより6,000円高い価格であったが、1973年10月、中近東アラブ諸国の石油輸出削減による突然の第一次オイルショックの中で、翌年春には約18%アップの46,000円へと値上げされた。
レンズのフォーカシングリングにはフラッシュオート機構が付き、専用オートストロボのキヤノライトD使用時には、撮影距離に応じた適正絞り値が自動セットされるCATシステムが採用されている。この機構追加からアクセサリーシューはフラッシュ接点付のホットシューへと変わった。

[掲載文献]
カメラレビュー・クラシックカメラ専科 「キヤノンハンドブック」№31 P63
カメラレビュー・クラシックカメラ専科 2005年 №77 P10
季刊クラシックカメラ №6 P16
マニュアルキヤノンのすべて P102
往年のキヤノンカメラ図鑑 P59