2019/09/26
FS-1 1979年
世界初のモーター内蔵・オートローディング一眼レフ。あらゆる35mm一眼レフの進化の方向を示したカメラ。
形式:初のオートローディング/モータードライブ内蔵、シャッター速度優先TTL-EE、35mmフォーカルプレーンシャッター一眼レフカメラ
マウント:コニカマウント
測光方式:GPD素子使用TTL
露光制御:シャッター速度優先式
シャッター:電子制御式上下走行金属幕フォーカルプレーン、B、2秒~1/1000秒
ファインダー:固定式、視野率90% 倍率0.67倍
電池:単3型乾電池4本、グリップ部に収納する。
巻き上げ・巻き戻し:内臓モーターによる自動巻上げ、クランク手動巻き戻し
寸法・重さ:150×90×49mm、574g(ボディのみ)
発売時価格:ヘキサノンAR50mm F1.4付 85,800円
ヘキサノンAR40mm F1.8付66,300円
キヤノンAE-1(1976年)の「連写一眼」のテレビコマーシャルは強烈で、一眼レフのユーザーの多くが半ばファッションとして自動巻上げを欲しがった。そんな中、世界初のワインダー内蔵オートローディング一眼レフとして発売された。それまで各社が試みては普及できなかったイージーローディング方式の結論がここに実った。
ニックネーム「ザ・ワインダー」として売り出された。
1984年のキヤノンT70からは、巻き戻しもモーター式となり、モーターによる自動巻上げ・巻き戻しが常識となった。
1978年(昭和53年)8月に発表され、発売は翌年。ワインダー内蔵35mm一眼レフとして、その後のすべての一眼レフの進むべき道を示したといえる。最も革新的かつ優れた発想のカメラだったが技術的な消化が不十分で、市場に出た後で起きた問題が大きすぎた。改良型の「FT-1」を出すところまで行ったが、コニカが一眼レフ市場から撤退する原因を作った。
FS-1はシャッター速度優先AEカメラで、コンパクトな40mm F1.8レンズとのセットで売り出され、巻き上げレバーの無い姿はカメラファンの度肝を抜いた。しかし、巻き上げレバーの無いそのデザインは間延びして見え、これが「TEM」(TTL、EE、モータードライブ)の理想型といわれても納得しかねる人が多かった。SF-1は話題にはなったが、商業的には成功したとは言えず、小西六は翌年FS-1からワインダーを取り去ったFC-1、プログラムAE内蔵のFP-1を発売し、1983年にはSF-1の後継機FT-1を発売するものの、結局コニカ一眼レフの歴史はそこで終わった。
[掲載文献]
コニカカメラの50年 P113
小倉巌夫「国産カメラ開発物語」 P166
MF一眼レフ名機大鑑「ニューフェース診断室」採録 P303
写真工業 2006年5月 Vol.64 №685 P51
カメラの歴史散歩道 P363
図解・カメラの歴史 P164
こだわりのカメラ選びPart2 P164
国産実用中古カメラ買い方ガイド100 P102
2000-2001 カメラこだわり読本 P194