2019/09/14

OM1 1972年


(シルバー)

OMシステムの初代メカニカル一眼レフ
コンパクトな35mm一眼レフをコンセプトに開発された。
大型化していく一眼レフに大きな刺激を与え、その後の一眼レフの小型化のトレンドを作った。 このカメラの最初の名前はM1だったが、フォトキナでの発表の場でライカからクレームがつき、「ライカM1」との問題もあり、「OM1」に改名した。

形式:機械式35mmフォーカルプレーン・シャッター式一眼レフ
レンズマウント:オリンパスOMマウント、バヨネット式
ファインダー:ペンタプリズム固定式(フォーカシングスクリーン交換可)
視野率・97%、倍率0.92倍(50mm標準レンズ)
シャッタースピード:B、1~1/1000秒 全速メカニカル制御式
セルフタイマー・レバー式12秒
ミラー:クイックリターン式(ミラーアップ可)
フィルム巻上げ:レバー式、分割巻上げ可
測光方式:TTL式(CdS 2個使用)中央重点開放測光
大きさ・重さ:136×83×50mm、510g
発売当時価格:ボディのみ37,000円、ブラックは3,000円高
55mm F1.2付 75,000円
50mm F1.4付 59,000円
50mm F1.8付 52,000円

設計・デザインは米谷美久
一眼レフのAF化以降、更に1987年には一眼レフにもストロボがビルトイン(「ペンタックスSFX」など)され、再び大型化の傾向となる。しかし、また普及クラスを中心に再び小型化がトレンドとなった。


(ブラック) アクセサリーシュー付 (1975年)

(ブラック) アクセサリーシュー無し (メーター不良) (1975年)

1954年「ライカM3」の衝撃により、1950年代末から、日本のカメラメーカーは主流を一眼レフに転換させた。
一眼レフが主流になると、ペンタプリズムや可動ミラーなどで、距離計式に比べボディの容積は大きくなる。
その後TTL露出計、AE化などの機能の進展があり、更に大型化する傾向があった。
そこに、1972年、35mm一眼レフの小型化というコンセプトをもった「オリンパスOM-1」が発売された。そこで各メーカーにも小型化の動きが出る。
しかし、1985年「ミノルタα-7000」によって、AF(オートフォーカス)一眼レフ時代に入り、更にフィルムのモーター巻上げ・巻き戻し、ストロボ内蔵が一般化すると、電池スぺースの関連もあり、再び大型化していった。こうした中、プラスチックを中心とした材料の選択や、メカニズムの簡略化などによって普及クラスの一眼レフで小型・軽量化がなされた。しかし、高級機は大型化したままであった。

[掲載文献]
図説 カメラの歴史 P178
カメラの歴史散歩道 P362
名機を訪ねて P325
銀塩カメラ至上主義 P194
カメラレビュー・クラシックカメラ専科 №77 P14
オリンパスの全て P17
ニューフェース診断室、オリンパスの軌跡 P95
MF一眼レフ名機大鑑 P145
こだわりのカメラ選び Part2 P158
国産実用中古カメラ・買い方ガイド100 P26
マニュアルカメラ全集 P15
ノスタルジックカメラ・マクロ図鑑 Part1 P48
季刊クラシックカメラ4 国産35mm一眼レフの名機 P22
季刊クラシックカメラ12 オリンパス P19
写真工業 2007年1月号(Vol65 №693) P54
写真工業 2006年9月号(Vol64 №689) P28
日本のカメラ P87
神立尚紀 図解・カメラの歴史 P152
極上カメラ100 P90
20世紀☆カメラ1950~2000 P44

[修理マニュアル]
ジャンクカメラの分解と組み立てに挑戦 P44