2019/09/25

SⅡ 1961年


ファィンダー:採光窓式ブライトフレーム、一眼式、二重像合致式連動距離計
パララックスと画角が自動補正(生きているファインダーと言われていた)
レンズ:ヘキサノン48mm F2 №3893704
シャッター:コパルSVE B、1~1/500秒、セルフタイマー付
露出計:セレン式、シャッター速度連動
大きさ・重さ:135×81×75mm、760g
価格:23,500円、ケース1,500円

好評だったコニカSもわずか9ヶ月という短時間の開発で問題もあった。露出計の指針が外部読み取り式であったこと、これをファインダー内部からも読めるようにしたのがⅡ型。他にはレンズ鏡胴デザインの変更などの改良がされ、S型の発売から2年後に発売された。
Sシリーズ総計約39万台で、クラシックコニカ(コニカⅠ~Ⅲ型)系列と同じ規模に達した。SⅡ型はS型を上回り、18万台が生産され(SⅢ型は7万台)、Sシリーズのベストセラーとなった。
S型もSⅡ型もファインダーは「生きているファインダー」と言われた独自のもので、パララックスはもちろん、画角までも変わるもので、非常に使いやすいファィンダーだった。
また、ⅢM型と比較してコンパクトに組み込まれたシャッタースピード、絞り、フィルム感度すべてに連動する露出計などがあげられる。

昭和32年「さくらパンFフィルム」に白い斑点(シロポチ)が出るという事故が起こり、業績に大きな影響を与えた。この事故は、フィルムシェア首位を後発の富士写真フィルムに譲り、以後回復できなくなった原因とされる。
新しいコニカ開発のためプロジェクトチームが昭和33年に編成され、その結果が昭和34年(1959年)に出る。これがコニカSである。Sはこれからのコニカの標準型(Standard)となる意味をこめて命名された。
コニカSはコニカⅠ型以来ⅢM型に至る八角形のボディ形状や機構を大幅に改め、レバー巻上げ、クランク巻き戻しの近代的なデザインになった。価格も大幅に引き下げられ、それまでのⅢM型は36,500円であったが、S型は23,300円に設定されていた。しかも機構の切捨てによる価格下げではなく、近代的な工場で合理的な設計、生産方式を取り入れることで実現した。
S型は発売と同時に好評をもって迎えられ、ベストセラートップの座を20ヶ月維持し、総生産台数15万台に及んだ。
SⅡ型は2年後の昭和36年(1961年)に登場。価格は据え置かれ、Sシリーズのベストセラーになった。昭和38年(1963年)には、コニカはEEカメラに参入し、EEマチック、次いで1963年オートSを発売。露出計連動カメラであるSⅡは役目を終えたとして生産が打ち切られた。

[掲載文献]
コニカカメラの50年 P 40
名機を訪ねて P127
ノスタルジックカメラ・マクロ図鑑 Vol.Ⅱ P34