東京光学機械(後のトプコン)の中級機クラスの二眼レフのシリーズがプリモフレックスである。プリモフレックスは大沢商会から販売された。ローレルフレックスは服部時計店、トプコフレックスは東京光学自ら販売したカメラにつけられた名前である。
レンズ:撮影レンズ トーコー 7.5cm F3.5(№198034)3群3枚トリプレット
ビューレンズ トーコー 7.5cm F3.5(№199273)
シャッター:レンズシャッター式レクタス B、1～1/300秒
フィルム巻上げ:ノブ式巻上げ、赤窓無し、オートマット
ファインダー:中央マット、周辺フレネルレンズ
寸法・重さ:97×147×99mm 1050g
シャッター目盛と絞り目盛は撮影レンズの左右上の窓に表示。
二眼レフがブームになろうとしていた1950年に発売されたのが初代プリモフレックスで、シャッターはNSKシャッターでB、1～1/200秒であった。1951年末にプリモフレックスⅠAとなり、これの後期型はシャッターが富士精密のレクタスとなった。シャッター速度範囲は同じ。同じ頃にセルフコッキング機構を持ち、レンズがテッサータイプのJシムラ― 75mm F3.5の高級型のプリモフレックマスⅡ型が登場、シャッターはコニカのコニラビットSで最高速Ⅰ/500秒まであった。しかし翌年1952年のⅠB型ではレンズはトーコー75mm F3.5に戻り、シャッターもレクタス、最高速もⅠ/200秒と機構もシンプルなものに戻る。1953年のⅠB型ではファインダーにフレネルレンズ(トーコーブライト)を搭載、周辺部まで明るく見えるようになった。
1954年にはⅠB型の改良型のⅢA型が登場。スタートマーク式セミオートマット機構となり、またファインダーにはスポーツファインダーが備わった。
1955年ⅢA型の上位機種としてⅣA型が新しいデザインで登場。上下レンズの周囲にだるま型のカバーがつき、ローライコードと同じR1タイプのバヨネットを備え、フードやフィルターのアクセサリーを共用できる。レクタスシャッターはⅠ/300秒に拡大、二重露出防子機構も備わった。ファインダーはトーコーブライト仕様である。
1955年にはビューレンズに撮影レンズと連動する絞り機構が内蔵されたⅤA型が登場、レンズはトプコール75mm F3.5、ビューレンズはトーコー75mm F3.2である。シャッター速度と絞りはローライフレックスのような丸いダイヤルで変更するようになり、ビューファインダーの上の窓で見るようになる。シャッターはセイコーシャラビットである。
1956年にはクランク式巻き上げ機構を採用したオートマット型が登場する。
[掲載文献]
魅力再発見・二眼レフ P134
写真工業 2006年2月号 Vol164 №682 P58(魅力再発見・二眼レフと同一記事)
マニュアルカメラ全集 P137
クラシックカメラ便利帳 P173
[プリモフレックス・オートマット分解記]
カメラレビュー・クラシックカメラ専科 2007年 №83
