ロボット社は1933年にハンス・ハインリッヒ・ベルニングによってオットー・ベルニング社として設立された。
有名なロボットカメラの最初のモデルは1934年にライプチッヒの春の見本市に登場した。
ロータリー・シャッターとぜんまいによる自動巻上げというユニークな構造は1934年にドイツ特許を取得し、以後のロボットカメラに受け継がれていく。
このカメラのオリジナルデザインは、有名なハインツ・キルフィットの手によるものであった。ロボットはカメラ市場で特異な位置を占めて成功し、さまざまなモデルが登場するが、一貫してガメンサイズは24×24mmの正方形のフォーマットであった。
第二次大戦後戦災から復興したベルニング社は、基本的には戦前のモデルを踏襲したロボットⅡ型を世に送る。その後ロボット・スター、ロボット・ジュニアなどのモデルを開発。1953年頃からはレンジファインダーを搭載した最上位機種ロボット・ロイヤルシリーズを展開。その中にはライカ判フォーマットを持つロボット・ロイヤル36や、ハーフ判のロイヤル18といったカメラも登場させた。
また1955年にはドイツの場とロールカーにロボット自動カメラシステムが初めて搭載され、これが後の「トラフィパックス」システムに発展した。その後社名が社名がROBOT Fotount Electronic GmbHに変わった。
1960年代には、民生用カメラ分野への日本製カメラの進出でドイツのカメラメーカーはどこも大きな打撃を受けるが、ロボット社はオシロスコープ記録カメラや監視カメラなど産業用写真システムに徐々に移行することで事業の存続をはかった。
2992年ロボット・ビジュアル・システムズ社に名前が変わり、現在も交通制御システムや速度監視レーダー見地システムなどを開発、販売している。また1999年からドイツのイエナ市に本拠を構えるイエノプティーク社を中心としたイエノプティーク・グループの一員となっている。
(世界ヴィンテージ・カメラ大全 P141)