2019/10/08

Bolsey B2 1949年

ファインダー:上下像合致式、二眼式(2枚のミラーを使用したシンプルな構造)
ビューファインダーは逆ガリレオ式
レンズ:ウォーレンサック アナスチグマート 44mm F3.2
シャッター:ボルシー シンクロマチックT、B、1/10~1/200秒
赤マーク付のピンを押し込むとシャッターがチャージされ、レバーを下に押すとシャッターが切れる。
巻き上げ:ノブ式
コマ数計:手動セット式
フィルム装填:裏蓋着脱式
大きさ・重さ:107×71×61mm、421g

ムービーカメラのボレックス、後にアルバに発展する35mm一眼レフのボルシーフレックスなどの設計として知られるジャック・ボルスキーが作った大衆機がボルシーB2である。
ボルシーにはさまざまな機種があるが、オリジナルは1947年発売のボルシー35B。このカメラで始まった三角おにぎり型の個性的なスタイルは最終型のB3まで一貫して守り抜かれた。
ボルシー35シリーズ、フラッシュマチック機構を搭載したB22、二眼レフのC型、ボディシャッターを採用したジュビリーなどがある。ジュビリーだけがシュタインハイル製レンズとゴーチェ製シャッターを使用しているが、他はすべてウォーレンサック製レンズとシャッターを使用している。
この形になったのは、カメラの横幅を少しでも小さくしようとしたから。フィルム送りの経路をアルファベットのC字型に曲げ、パトローネをカメラの前方に収納したからである。
ボルシーの外観は、アルミダイキャストの表面を鏡面に磨き上げ、腐食防止のため透明ラッカーを塗って仕上げてある。この時期のアメリカ製カメラによく見られる手法で、マーキュリーやシグネットも似たような方法で処理されているが、耐久性に乏しく、痛んだものが多い。
ウォーレンサックは、ボシュロムで機械工として働いていたアンドリュー・ウォーレンサックが1899年にロチェスターに設立した光学メーカーで、普及タイプのレンズとシャッターを得意とし、多くのアメリカ製カメラに使用されたが、1972年廃業。
シャッター名はシンクロマチックで、シンクロ機構を装備、フラッシュバルブが1/50秒で同調。シャッターはチャージの必要の無いエバーセット式。フィルム巻上げに連動してボディ側のストッパーピンが出入りして二重露出防止構造になっている。

[掲載文献]
こだわりのカメラ選び Part2 P82
写真工業 2006年7月号 №687 P38
〃 2005年8月号 №676 P 85 (ボルシーC)
カメラスタイル22 P56 カメラスタイル22 「軍用カメラ」 P56
ちょっと触っていいですか P102 (ボルシーB22)

[ボルシーC]

1950年アメリカのボルシー・コーポレーションの距離計連動35mmレンズシャッター「ボルシーB2」(1949年)にそのまま二眼レフ・ファインダー機能を追加した形の製品。
上下像合致式連動距離計と逆ガリレイ式ビューファインダーはそのまま残している。ウエストレベル式の二眼レフ・ファインダーは横位置専用。ファィンダー用レンズは上に伸ばしたレンズシャッター前板に取り付けられ、ヘリコイドで繰り出される撮影レンズと一体となって移動する。レンズは44mm F3.2、シャッターはT、B、1/10~1/200秒。ボディは分厚いが横幅は狭く、コンパクトなカメラ。これにフラッシュマチック機構をつけた「C22型」が1953年に加わった。

[参考文献]
カメラの歴史散歩道 P287