2019/10/08

Closter Princess 2a 1956年


大戦後「レクタフレックス」が世界初のペンタプリズム式一眼レフの開発を目指していた頃に、そのスタッフの一部が独立して1949年に興したのがクロスター社である。1949年に初めてのモデル「クロスターⅡ」を発売する。これは初級機でレンズは沈胴式であった。1950年Ⅱ型を小変更・バージョンアップして発売されたのがⅡA型である。
クロスターⅡAを生産しつつ、よりハイレベルなモデルを開発していたクロスター社は1951年に、中級機として全くベースの異なるレンジファインダー機を出した。それが「プリンセス」である。初期のモデルはトリブレットのF4.5、F3.5であったが、ⅡaはレンズがF2.8付の最上級機である。
このカメラの最も特異な点は、フォーカシング機構にある。ヘリコイドが鏡胴側になく、軍艦部の上面に備えられているノブで操作する。このノブは内側で直接鏡胴と連結されている。ノブがここにあるため距離計との連携もスムースになっている。
クロスター社は1960年代中頃に撤退している。

ファインダー:一眼式連動距離計、二重像合致式、等倍
レンズ:クロスターZEMEN50㎜ F2.8アナスチグマット
シュッター:B、1~1/300秒 3枚羽根、チャージレバーによるチャージ
巻上げによる解除で二重露出防止になっている
フィルム装填:裏蓋を抜き取る方式
大きさ・重さ:128×81×75mm、650g

[掲載文献]
カメラレビュー・クラシックカメラ専科 №83 P45、54