2019/10/18
F 1959年~1973年
35mm一眼レフは、1936年の「キネ・エキザクタ」から始まる。
1949年の「コンタックスS」は、ペンタプリズムを初めて取り入れて発売された。
「ニコンF」は、1959年発売以来、ペンタプリズム交換式の高級機種として、優れた基本設計、高い信頼性をベースに、報道機関を含むプロユースから上級アマチュアに至るまで、レベルの高い層に支持され、15年にもわたるロングセラーを続けた。
その間ペンタプリズム交換式という特性を生かして、TTL方式の露出計導入も図られた。
ファインダー:ペンタプリズム式一眼レフ。ファインダー交換式 視野率100%
シャッター:チタン膜フォーカルプレーン横走行。T、B、1~1/1000秒
寸法・重さ:147×96×52mm(ボディのみ)、780g(ボディのみ)
発売当時の価格:ニッコールオート50mm F2つき69,500円
デザインは「ニコンSP」を手がけた、亀倉雄策に依頼した。
「ニコンF」は、日本のメーカーとしては最後発であったが、クイックリターンミラーと完全自動絞りを備え、ファインダー部は交換式として発売された。その高い信頼性を買われてプロ写真家、特に報道写真家、スポーツ写真家に多く用いられ、15年間のロングセラーとなった。
ニコンF2はFに比べやや華奢に感じられることもあり、ニコンユーザーに受け入れられるのに時間がかかり、F2発売後3年間はFを継続生産し、併売せざるを得なかった。
製造番号は6400001から始まる。
(最初の試作機は№2610で昭和26年10月から付けられた)
初期型 1960年11月~1961年4月
中期型 1968年5月~1968年7月
後期型 1972年11月~1973年2月
製造期間 1959年4月~1973年10月
本機の威力は、1964年の東京オリンピックで、使われた超望遠レンズとモータードライブによって明らかになった。
このカメラが長い間ユーザーの支持を得たのは、豊富な交換レンズ群、充実した付属品、そして交換式ファインダーを活用してフォトミック方式により最新の性能を維持できたことなどだが、なかでも当初からモータードライブが用意されていたことも大きな要素である。
ミラーのクイックリターン機構について、旭光学と東京光学との特許問題、旭光学と日本光学との紛争について、小倉磐夫著「国産カメラ開発物語」P149-154に詳述されている。
[掲載文献]
図説 カメラの歴史 P160
ニコンF完全攻略 ニコン解体新書
マニュアルニコンのすべて 季刊クラシックカメラ②ニコン
ニコンとライカの研究 趣味のニコンカメラ
ニコンカメラの「ここが一番」攻略百科 究極のニコンカメラ
CAPA ニコン一眼レフのすべて P34 日本のカメラ P104
2000-2001 カメラこだわり読本 P36 クラシックカメラ倶楽部 P76
クラシックカメラの世界 P68 銀塩カメラ至上主義 P12
名機を訪ねて P111 マニュアルカメラ全集 P7
ノスタルジックカメラ・マクロ図鑑 Part1 P120 MF一眼レフ名機大鑑 P16
写して楽しむクラシックカメラ Part3 P30 極上カメラ100 P60
こだわりのカメラ選び Part3 P30 絶対ニコン主義 P82
こだわりのカメラ選び Part2 P124
写真工業 2007年1月号(Vol65 №693) P44
カメラレビュー・クラシックカメラ専科 №73 P8
カメラレビュー「一眼レフの歴史とそのメカニズム」 P42
季刊クラシックカメラ4 35mm一眼レフの名機 P36
世界ヴィンテージ・カメラ大全 P224
神立尚紀 図解・カメラの歴史 P105、115
20世紀☆カメラ1950~2000 P19
小倉磐夫 「国産カメラ開発物語」 P100
こだわりカメラのスナップ流儀 P28
カメラスタイル22 「軍用カメラ」 P53 中古カメラウイルス図鑑 P24
中古カメラ大集合 P133 中古カメラの愉しみ P66
日本カメラ博物館「世界を制した日本のカメラ」 P14
[修理マニュアル]
やさしいカメラ修理教室 P84