2019/10/19
F-501 1986年
ニコンのAF一眼レフの第一号機。
これ以前にレンズ駆動方式によるAFを実現したニコンF3AFがあるが、ボディ側モーター駆動の本格AF一眼レフとしてはこのF-501が初である。
AF性能は発展途上だったが、自動巻上げ内蔵やDXコードによる感度の自動設定など、新時代の気風に溢れていた。
シャッターダイヤルが装備され、液晶表示が一切無いのも、現在の目には斬新だ。
露出制御:デュアルプーグラムオート、プログラムオート、高速プログラムオート、
絞り優先オート、マニュアル。
測光方式:中央部重点測光
測光範囲:EV1~19
露出補正値:1/3ステップ ±2EV
ISO設定範囲:12~3200、DXコード
ファインダー:アイレベル固定式、視野率92%、倍率0.85倍
AF測距点:1点
スクリーン:交換式(3種類)、クリアマットスクリーンが標準
シャッター:電子制御式、縦走りフォーカルプレーン
シャッター速度:B、1~1/2000秒 X同調1/125秒
フィルム給送:電動巻上げ、最高2.5コマ/秒
巻き戻し:手動、クランク式
フィルム終了時には、警告音とLEDが点滅。巻き戻しは左の解除レバーをスライドさせながら右のボタンを押し、手動でクランクを回す。
電源:単3型乾電池×4本(別売りホルダーで単4型乾電池も可)
バッテリー室はボディ下部。36枚撮りフィルム120本撮影可能。
大きさ・重さ:148.5×101.5×54.5、622g(ボディのみ)
発売時価格:89,000円
他メーカーのAF一眼レフの多くがボタンとレバーのデジタル操作と液晶表示を採用する中で、F-501は従来からのなじみやすいダイヤル操作を継承している。マウントも従来のAiニッコールとの互換性を保っている。それにはAFレンズが出揃っていないこの時期には、MFレンズを使わざるを得ない事情もあった。そのため明るさがF2.8以上のAiニッコールレンズならAF撮影が可能となるAFテレコンバーター「TC-16AS」も用意されていた。
AFモードは、ピントが合うまでレリーズしないフォーカス優先のシングルAF(S)とレリーズ優先のコンティニュアスAF(C)、MFの3モード。最高2.5コマ/秒(MF時)のモータードライブは、1コマ巻き上げと連続巻上げのどちらかを選べる。AFロックも装備されており、ボタンを押すとレンズ駆動が停止し、たとえシングルAF時でも、ピントに関わらずレリーズが可能となる。
撮影モードは、プログラムオート、絞り優先オート、マニュアル、TTLオートストロボが基本。プログラムオートは、標準と高速に加えて、装着するレンズによって2つのモードが自動的に切り替わるデュアルプログラムモードがあり、2本のプログラムラインを3つのモードで使い分けていた。
AEは中央部重点測光方式だが瞬間絞込み測光を採用していて、精度の保証はないものの旧レンズでのシャッター優先オートやプログラムオートも可能だった。
[掲載文献]
CAPA ニコン一眼レフのすべて P102
20世紀☆カメラ1950~2000 P69
趣味のニコンカメラ P120
ニコンカメラのココが一番・攻略百科 P80
日本カメラ博物館「世界を制した日本のカメラ」 P26