2019/10/18
ミノルチナS 1964年
1964年、ミノルタが発売した小型レンズシャッター式カメラ。ミノルチナPの高級型。ミノルチナPはセレン式露出計連動式であるが、連動距離計は無、シャッターはシチズンLで速度は1/30~1/250秒であった。
レンズ:ロッコールQF 40mm F1.8
シャッター:セイコーシャSLV、B、1~1/500秒
焦点調節:一眼式連動距離計
露出計:セレン式連動
巻き上げ:レバー式巻上げ、クランク巻き戻し
大きさ・重さ:128×78×61 mm、 520 g
発売時価格:19,000円
この時代のレンズシャッター式カメラは、日本がイニアシブを取る時代に入っていく。
露出計内蔵、AE化、レンズの大口径化争いが行われていく。カメラは大きくなっていく。
むしろこの時代は、中級機にレンズが大きくて、カメラも大きい“高級感"が求められていた。カメラに本来求められていた小型化へのニーズから、どんどん離れていった。
35mm時代のサブサイズとして登場したハーフサイズ・カメラの人気もそれに深く関連していた。やがて標準サイズカメラに小型化の動きが出てくる。
そのコンセプトで企画されたのが「ミノルチナ」シリーズであった。まだハーフサイズ・カメラの絶頂期であったために成果は上がらなかったが、その2年後に「ローライ35」が発売されると、急速に小型化への動きが始まった。
「ミノルチナ」は2年早すぎた。
ミノルチナはセレン連動露出計を内蔵するマニュアル露出カメラであり、Sは連動距離計付、PはSの下位モデルで露出計が省略され目測式である。
AEカメラが普及しても、やや上級向けとして販売され続けていたが、機能的には既に陳腐化していたマニュアルカメラを小型化することにより、気軽に高度な撮影を楽しめることを狙って開発された機種。連動距離計、露出計内蔵では、当時として非常に小型のカメラだった。しかし、本格的にマニュアル撮影をするカメラを小さくする必要は無いという風潮があり、あまり売れなかった。
[掲載文献]
ミノルタカメラの全て P150
20世紀☆カメラ1950~2000 P28