2019/10/17
SPF 1973年
ファィンダー:ペンタプリズム固定式、スクリーン交換不可。倍率0.88倍
クイックリターンミラー
交換レンズ:M42レンズ、標準レンズ SMCタクマー55mm F1.8 (№7752284)
シャッター:布幕横走りフォーカルプレーン、セルフタイマー無
T、B、1~1/1000秒
フィルム給送:レバー巻上げ、クランク巻き戻し
カウンター:自動復元順算式
電源:水銀電池1個
大きさ・重さ:143×93×91mm、894g(50mm F1.4標準レンズ付き)
価格:59,000円(50mm F1.4レンズ付き)、51,000円(55mm F1.8レンズ付き)
絞込み測光のSPから約10年後に登場。SPの普及モデルの位置づけ。
開放測光方式を採用。さらにフォトスイッチを追加し、「レンズキャップを外すと同時に測光態勢」となる機能を追加。レンズに入る光量が極端に少なくなると自動的に測光回路を閉じてスイッチがOFFになる。また、シャッターロック装置がついた。レンズは開放測光に対応するSMCタクマーレンズに変わった。
1971年に旭光学は、世界初のTTL開放測光、自動露出機構内蔵のアサヒペンタックスESを発売した。
M42マウントで開放測光を実現するために、旭光学は個々のレンズの停止位置が異なってもレンズの絞り値を正確に伝えられるよう、ボディ側とレンズ側のマウント双方に改良を加えた。それにより新しいマウントは他社のM42マウントと互換性は失われたが、従来のレンズや他社のレンズは絞込み測光で使用できる。
開放測光に対応したレンズは、SMCタクマーと名称が変更になった。SMCとはスーパーマルチコーティングの略であり、従来の単層コーティングよりはるかに増透効果および反射防止効果が高い。SMCは一時期マルチコーティングの代名詞になった。
この頃までの旭光学は、カメラボディもレンズも時代の最先端をいく技術を次々と独自開発して製品に投入しており、日本のカメラ産業発展に多大な貢献をした。
また、ESから装備されたホットシューが、このSPFにも備わり、ストロボ撮影が便利になった。
[掲載文献]
ペンタックスのすべて P43
2000-2001 カメラこだわり読本 P65
カメラレビュー・クラシックカメラ専科 2005年 №78 P24
世界ヴィンテージカメラ大全 P255
往年のペンタックスカメラ図鑑 P65
マニュアルカメラ全集 P21
ノスタルジックカメラ・マクロ図鑑 Vol.2 P28
[修理マニュアル]
カメラの改造と修理術 P28