2019/10/18

SR-1改 1961年


シャッター:機械式横走行布膜 フォーカルプレーンシャッター
マウント:SRマウント 完全自動絞り
シャッタースピード:B、Ⅰ~Ⅰ/500秒 セルフタイマー付き
一軸不回転、倍数系列、等間隔で持ち上げなくてよい(改良点)
シンクロ接点:FP、X
ファインダー:ペンタプリズム固定式 倍率0.88倍 スクリーン交換不可
フィルム巻上げ:レバー式、分割巻上げ可
巻き戻し:折りたたみクランク式
カウンター:自動復元式、順算式
寸法・重量:147×95×48mm、660 g
発売時価格:37,000円(55mm F2付)
(初代SR-1は36,000円でSR-2より15,500円安かった)

SRシリーズは1958年にSR-2でスタートする。SR-2がミノルタの一眼レフの第一号機である。SR-1は、1/1000秒を省き、より求めやすくした普及機で、1958年に発売され、1961年に完全自動絞りを内蔵させるために小改造された。
1960年にシャッタースピードダイヤルが持ち上げ式からクリック式に、1961年には巻き上げなくても絞りが開放になる完全自動絞りを搭載。1962年にはフィルムカウンターが巻き戻しクランク側から巻上げレバー側に移動などのマイナーチェンジを行った。このためSR-1には4種類のボディがある。改良後のSR-1にはセミ連動露出計が外部に装着できるようになった。

SR-2に用意された標準レンズが55mm F2であったのに対し、SR-1に用意されたレンズは同じガウスタイプでありながら55mm F2であった。
ミノルタはライカM3に対抗してミノルタスカイを開発していた。しかし、田嶋社長の鶴の一声でミノルタスカイを捨て、35mm一眼レフに方針を変えた。
一軸不回転シャッターは杉山万三雄、クイックリターンミラーは谷崎修の設計で、ミノルタ最初の一眼レフの設計は三ヶ月で完成、ペンタプリズムの量産化に苦労したものの、1958年10月設計開始から一年で「ミノルタSR-2」が発売された。外観は白松正のデザインであった。
本機SR-1はSR-2の廉価版として発売されたものである。
SR-1にはフィルムカウンターの位置、シャッター等間隔目盛、外付け露出計連動などの部分改造により3タイプがあるが、本機は最後の改造タイプである。

[掲載文献]
日本のカメラ P128
ミノルタカメラのすべて P34
季刊クラシックカメラ №14 ミノルタロッコールの伝説 P19
アサヒカメラ ニューフェース診断室 ミノルタの軌跡 P35
神尾健三「ライカに追いつけ」 クラシックカメラ選書-1 朝日ソノラマ P141 1995
神尾健三「めざすはライカ」 P223 2003
日本カメラ博物館「世界を制した日本のカメラ」 P14